レッド・ドット・デザイン賞（Red Dot Design Award）は、世界三大デザイン賞の一つと言われており、毎年世界中の60を超える国/地域の企業、組織、デザイナーから約20,000件の応募がある世界最大級のデザインコンペティションです。ドイツ、エッセンのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen（ノルトライン＝ヴェストファーレンデザインセンター）が主催する国際的なプロダクトデザイン賞です。プロダクトデザイン、デザインエージェンシー、デザインコンセプトの3つのジャンルにおいて賞が存在します。1955年に創設されたこの賞はデザイナーと製造業者に応募資格があり、受賞者は年に1回開催されるセレモニーで賞を授与されます。また、受賞プロダクトはエッセンの歴史的なツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の構内にある「レッド・ドット・デザイン・ミュージアム」に展示されます。

1954年7月30日、「Verein Industrieform」協会が、クルップ社の広報・広告部門の責任者であるカール・フントハウゼン博士の主導によって設立されました。この協会の目的は、より魅力的な環境を作り出し、ドイツの消費財を近代化して輸出に適したものにし、第二次世界大戦後のクルップ社のイメージ変革の一環となることでした。1955年には初めての年次デザインコンペが開催され、10月5日には「Ständige Schau formschöner Industrieerzeugnisse（魅力的にデザインされた産業製品の常設展示）」がエッセンのヒューゲル別荘で開催されました。革新的な展示は、産業界と消費者の両方にモデルとなるプレゼンテーションとして評価され、世界的な注目を集めました。